Pop Martがロンドン・コヴェントガーデンに旗艦店オープン、Labubuブームが英国上陸
中国発のデザイナートイ大手Pop Mart(ポップマート)が、ロンドンの観光名所コヴェントガーデンに欧州最大の旗艦店をオープンしました。約300平方メートルの店舗には、世界的ブームを巻き起こしている「Labubu(ラブブ)」シリーズをはじめとする人気コレクションが勢揃いし、オープン初日には1,000人以上が行列を作りました。このニュースは、日本のPop Martファンの間でも大きな話題になっています。
ロンドン旗艦店の詳細
コヴェントガーデン店は、Pop Martの欧州進出における戦略的な一手です。歴史的な建築物の中にモダンなデザインが融合した店内には、グローバルラインナップに加え、英国限定のLabubuシリーズが用意されています。ロンドンのアイコンであるレッドバスや衛兵をモチーフにした「British Labubu」は、1体£15.99(約¥3,000)で販売され、初日に完売しました。
店舗にはPop Martの名物である「ロボショップ」も設置されています。これは自動販売機型のブラインドボックス販売機で、コインを入れるとランダムにフィギュアが出てくる仕組みです。日本のガチャガチャ文化に似たこのシステムは、欧州の消費者にとって新鮮な体験として受け入れられています。
Labubuブームの世界的広がり
Labubuは、ベルギー人アーティストKasing Lung(カシン・ラン)がデザインした妖精キャラクターで、特徴的なギザギザの歯と愛らしい表情が人気を集めています。2024年にタイのセレブリティBamBam(元GOT7メンバー)がSNSで紹介したことがきっかけで世界的ブームに火がつき、2025年にはPop Mart全体の売上の約35%をLabubuシリーズが占めるまでに成長しました。
「Labubuの魅力は、可愛さの中にある"ちょっとした奇妙さ"です。完璧に可愛いだけのキャラクターとは一線を画す個性が、世界中のコレクターを魅了している」— Pop Mart 国際事業部ディレクター リー・ウェイ氏
日本市場への影響
日本はPop Martにとってアジア圏で中国に次ぐ重要市場です。現在、東京(原宿・渋谷・新宿)、大阪(心斎橋)、名古屋(栄)に直営店を展開しており、2026年中にさらに5店舗の出店が計画されています。特に注目されるのは、京都・祇園への出店計画で、日本の伝統文化とデザイナートイの融合が期待されています。
日本限定のLabubuシリーズも高い人気を誇っています。2026年春に発売された「桜Labubu」は、ピンクのグラデーションに桜の花びらがあしらわれたデザインで、定価¥1,490にもかかわらず、メルカリでは¥8,000〜¥12,000で転売されるほどの人気ぶりです。Pop Martは転売対策として、日本の店舗での購入数制限を1人3個までに設定しています。
コレクター文化の比較
興味深いのは、Pop Martのブラインドボックス文化が、日本の既存のコレクター文化といかに親和性が高いかという点です。日本にはガチャガチャ(カプセルトイ)や食玩という長い歴史のあるブラインドボックス文化があり、Pop Martの製品はこの延長線上に自然に位置づけられています。実際、日本のPop Mart店舗では、客の約60%がブラインドボックスの「大人買い」(ケース買い)を行っており、これは他国の平均(約25%)を大きく上回っています。
一方で、ロンドンでのオープンは、ブラインドボックス文化が欧州にも本格的に浸透し始めていることを示しています。コヴェントガーデン店の客層を見ると、20〜30代の女性が中心で、Instagram映えするパッケージとディスプレイが来店動機の上位に挙がっています。
Pop Martの今後の戦略
Pop Martは2026年の年間売上目標を150億元(約3,000億円)に設定しており、海外市場の売上比率を現在の30%から50%に引き上げる計画です。そのために、実店舗の出店だけでなく、各国のECプラットフォームとの提携強化も進めています。日本ではAmazon.co.jpに加え、楽天市場への公式出店が2026年夏に予定されています。
ロンドン旗艦店のオープンは、Pop Martがアジアのニッチブランドからグローバルなライフスタイルブランドへと進化する重要な一歩です。日本のファンにとっても、海外限定品の話題や、グローバルコレクターコミュニティとの交流が広がることは喜ばしいニュースでしょう。今後のPop Martの世界戦略から目が離せません。